レガシーバン盗難編

 

第1話 事件前日 AM

 

いろいろあって、2月中旬から三河の両ちゃんは某メーカーのお仕事で出張にでかけている。

リーマン気分を味わうために毎週、新幹線で横浜にお出かけ中なのだ。

 

ちょっとドラマに影響されている両ちゃんは、リーマンを味わおうと

新幹線の中でパソコンを開けて仕事を始めた

「時間の有効活用やで〜!なっはっは〜」と思って張り切ってから10分後・・・

慣れないことをしたために乗り物酔いで挫折!

王子に「新幹線は寝るのが正しい姿だ」と助言を受けて納得!

 

そんなこんなで、行き始めて2週目の週始めの月曜日。

両ちゃんは三河の会社に行ってから出張に行くために

かわいいレガシー君で三河SOに通勤したのだ。。。

 

3月1日 AM9:00 三河SO出勤

 

午前中は三河の会社でヌクヌクと過ごし・・・

たまたま目が合ったBABYをいたぶり・・・

ひとしきりお仕事も終わったので横浜に旅立つべく家に戻ってきた。

 

3月1日 AM11:00 自宅周辺

 

家の近所ではヤンキーお兄ちゃんを従えた、土建屋の親方がイソイソと仕事をしていた。

両ちゃんは学生時代にヤンキー集団にバイクのチタンマフラーを盗難されて以来、

ヤンキーという人種は王子ナス以上に大嫌いである。

 

嫌な予感がしたので、とりあえず車外から見えるモノの全てをしまい、

鍵、窓に関して、厳重トリプルCHECKしてひとまず家に帰った

 

つづく

 

第2話 ヤツの行動

 

少し時間を巻き戻そう・・・

2月29日(日) 八菅生付近のホテル

 

おあつはイソイソと三河出張に行く準備をしていた。

そのことは王子少しだけ・・・知っている!?

 

某メーカーのお仕事で一日だけ出張であると金曜日に

わざわざ周りの皆に言っていた

 

「3月1日は、両ちゃんは横浜かぁ・・・残念だわ」

そう呟いたおあつの顔が、あの時のヒゲを見つめた顔と同じであったことに

浜のおやじは後々思い出すことになる。

 

「1日は三河で一仕事よ・・・大きなヤマだわ」

そう言いながら、おあつは珍しく新幹線で出張に出かけた

 

つづく

 

第3話 事件前日 PM

 

両ちゃんは出張カバンに荷物を詰めて、行く準備を終えた。

「ほな、横浜行きまひょかぁ〜」

また帰ってくるのは週末になるので、ガスの元栓、水道、窓ガラスなどの

確認を終えてガラガラと荷物を引きずって外に出た。

 

「じゃ、行ってくるよ!レガシー君」

 

先ほどのヤンキーが少し気になったので、心配しつつ出張に出かけた。

 

そう、この嫌な予感は後々のことだったと後々気付くのであったが、

今の三河の両ちゃんはまさかそこまでは・・・思っていなかったのである

 

つづく

 

第4話 事件発覚

 

3月2日 AM8:00

 

チャララー、チャララー♪(仁義なき戦い)

某横須賀の自動車メーカーにて両ちゃんのお仕事携帯が鳴っている

 

「モシモシ、私だ!あぁ〜君かね」(ちょっと西部警察風・・・)

「今週は、両ちゃん車でお仕事行ったの?」

              なんですと?

「なんで、新幹線やで・・・」

「いや、家の前に車が無かったから」

              なんですと?

「嘘〜ん、マジで?」

まさか家出か?ちょっとコンビニまで?

有り得ん、ナイト2000じゃあるまいし。

 

どうやら本当に無いらしい・・・これが俗に言う車両盗難ってやつか!

 

ソワソワ両ちゃんは帰りたくて仕方がない!

「もしもし、浜のオヤジ〜

              あのね、カクカクシカジカで・・・家に帰って良い?」

「ダメ!今、帰ってもどーせ、出てこねーんだからさ!」

一発却下・・・人事だが当ってる。

 

そんなやり切れない気持ちで両ちゃんはシブシブ仕事に戻った

 

つづく

 

第5話 被害届

 

3月2日 PM12:15

 

浜のおやじに却下された両ちゃんは、ズーンと沈んだ気持ちで午前中を過ごした。

自分のが家に無いのに、車作りの仕事をしている自分に腹をたたせながら・・・

 

12時になったので、さっそく田浦署に被害届を出しに行った。

何も悪いことはしていないのだが、警察に行くのはいつも気が引ける。

今回は被害者だと言い聞かし、無愛想なハゲた警察官に声をかけた。

 

「あのー、車が盗まれたので被害届を出しにきました」

「どこでやられたの?」

「愛知県○○町の自宅です」

「は?何でここにきたの?・・・あーだ、こーだ」

 

両ちゃんは出張中であること、盗難されたことを電話で聞いたことを

ハゲた警察官に力説した。そして警察のハゲちゃびんは・・・

「本当に無いの?最近嘘や勘違いが多いからね〜」

まったく信じてもらえなかった。

シブシブ被害届は受理してくれる態度を見ていて

絶対探す気が無いなぁこの人たち・・・

 

 ←被害届けです!つっついても見れましぇーん!

 

とにかく1ヶ月間で出てこなければ、

両ちゃんの愛車は車両保険で別の車になってしまう

 

「なんとか早く見つかって欲しい!」と心でエンジェル両ちゃんが叫ぶ。

「1ヶ月立てば新車じゃないか!」とデビル両ちゃんが入れ知恵・・・

 

天使の弓と悪魔フォークで両ちゃんの心は串刺しにされつつ

テクテクと海岸沿いの軍艦を見ながら仕事場に戻った。

 

つづく

 

第6話 取引

 

3月2日 PM17:05

昼間の仕事を無難にこなし、T*Oに寄る暇も無く

おあつはツヤツヤしながら248をぶっ飛ばし、

もう一仕事するために岐阜に向かっていた。

 

ちょうど21号と41号のパチンコ屋で17:00に待ち合わせのはずだった

「いけないわ、すこし遅れちゃった」

「まだ、間に合うかしら?」

 

その時、おあつの携帯が鳴った。

「もしもし、おあつです」

「Oh、マイフレンドOATU。オクレタね!トリヒキハSTOPだ」

「そ、そ、そんな、待って下さい!お願いです!

  でないと来月の引っ・・・プツッ!」

             

              プー、プー、プー

 

おあつの顔からツヤがスーと消えうせていった。

「あたいったら、やっちゃったわ」(またかい)

「予定変更よ!こうなったらあと何台かやるわよ」

取引に失敗したことに後悔しつつ、STEPUPすることを心に誓い

来た道を引き返し三河に戻るためさらにアクセルを踏み込んだ。

ボロロロロォォォーーーー!!!

おあつのやる気は、TWIN−TURBO並に加速してゆくのであった。

 

つづく

 

第7話 余罪

 

3月3日 AM2:30

 

三河はネオン街が少ないため

どこもかしこも寝静まっている

 

ある角からジャージに革靴の女が

あたりを見回しながら銀の180に忍び寄ってきた

「もう時間が無いわ・・・ナンバーだけでも・・・」

ついでにヘッドライトも高くうれるかしら?

 

ジャージ女はレガシーの車載工具から

10mmメガネを取り出し、バンパーを傷つけながら

強引な作業を進めた。

 

「あら、こっちも頂こうかしら・・・」

となりのR33のナンバーを取り外し終えると

レガシーに乗りこみ不敵な笑みを携えて

再び岐阜に向かったのであった

 

つづく

 

第8話 あきらめ

 

3月3日 AM3:45

 

おあつは会社の至急携帯を取り出し、

副収入のサブフォルダからイラン人の携帯メモリーを呼び出した

 

「もしもし、モハメド?あたいよ!」

「お土産も持ってきたわ、取引なんとかならないかしら?」

 

電話の向こうのモハメドは寝起きバリバリの声で

「今、何時だと思ってる!もうイラン!」

と小粋なジョークで電話を切ってしまった

 

おあつは途方に暮れ、41号のそばにある

パチンコ屋の駐車場にレガシーを乗り捨て

夜行バスで東京に向かった

 

東名から見える朝焼けの富士山を見ながら

おあつはポツリと呟いた・・・

 

「八王子への引越し代どうしよ・・・困ったわ」

 

つづく

 

第9話 心機一転

 

3月14日 AM1:00

 

三河の両ちゃんはある結論に達した。

その日の夕方くらいから悩みに悩んでいたのだ。

まはやタバコは2ハコ目に突入している

 

@1ヶ月出てこなければ保険金で次の車を購入

Aでてきたら保険範囲内で修理

・・・・・・・・・・・・・2択である

 

「よっしゃ!次期愛車は再びインプレッサにしよう」

さっそく見積書をスバルで上げてもらい、

金額を見てニンマリ

「これなら追金少しやん!」

 

「色は青にしよっかな?やっぱ黒に・・・Zzz」

 

そんな夢を抱きながら床に就いたのであった、

明日がどんな日か知らずに・・・

 

つづく

 

第10話 朗報?!

 

3月14日 PM2:30

 

両ちゃんの家の電話が珍しく鳴っている

「またオカンちゃうんかいな?」

   ガチャ!

「もしもし?三河の両さんですか

 こちら岐阜県の美濃加茂警察ですけど

 盗難届を出されていた車両がパチンコ屋で発見されました」

 

なんですと!良かった!!ホンマに良かった!!!

・・・おや?良いのか?

昨日インプ買うって決めたばかりなのに。

 

「つきましては車両確認のため美濃加茂まで起こし頂けますか?」

  ちなみに王子の家も同じ岐阜である・・・?!

「へい、では伺います。1時間ほどお待ち下さい」

 

複雑な気持ちで車検切れ間近のバイクのエンジンの暖気を始めた。

暖機中の一服!フーを煙を吐き出しながら、

「やっぱりレガシーが1番ってことか・・・」

 

両ちゃんはそう呟きながらヘルメットをかぶり、

諦め半分、248をぶっ飛ばし美濃加茂警察に向かったのである

バルン、バルルルゥゥ−−−−

 

つづく

 

第11話 再会

 

3月14日 PM3:30

 

今日はホワイトデー。

本来なら全国5万人の両ちゃんファンへのお返しの日であるが、

なぜか北に向けて爆走している。そんなこともほったらかしで、

何回か間違えながら左の方に美濃加茂警察が見えてきた。

 

駐車場にバイクを停めて、古い雑居ビルのような建物の

交通課に恐る恐る入っていった。

 

名前と要件を伝えると鑑識のおじさんが車に案内してくれるとのこと。

どうやらすでに指紋採取のイベントは終わったらしい。

 

道に面した駐車場には、燃えカスになった18Oや

事故った車がレッカーされて停められている。

その片隅に両ちゃんの黒のレガシーばんが小汚い感じで停まっている。

 

「おぉぉ、やられている・・・」

 

外観の被害は大きなものは無いのだが、

全ての部品に何かしらの傷が付いている

 

バンパーは車体の長さに不慣れだったのであろうか、

一番先端をHITしており、端も左右擦っている。

ドアもこじ開けによる傷が多数あり。

後も左がHITされており、ビームは確実に逝っている。

ボンネット・・・ついでにへこんでるとしよう。

FRガラスも・・・傷ついたかな?

 

アチコチ見ていると鑑識のおじさんが私物整理をしてくれと

車内に合った物を路上に並べだした。

 

いよいよ事故検分の始まりであったが、

両ちゃんには驚きの真実はまだ見えていなかったのである。

 

つづく

 

第12話 遺留品

 

車内は惨憺たる状態だった。

ありとあらゆるところの指紋採取の白い粉が雪化粧を気取っている。

ハンドルカバーを剥ぎ取られ、キーシリンダーにマイナスを突っ込み

 

 ←壊されたキーシリンダー つっついても見れないよ!

 

強引に直結にてエンジンをかけたようである。

運転席足元には車載工具が転がっている

 

足元の隅からスライムの人形が出てきた

これだけでも・・・良しとせねば!

 

トランクルームも散々(TT)

トノカバーは放り投げられ天井には何かを載せるときに

おもいっきり擦ったであろう痕跡がある

「おいおい、どないしたらこんなんになるねん」

 

ん?ん?ん?

トランクルームがやけに広く感じる?

 

あっ!ウーハーが無いやん!

両ちゃんが某部品販売店A社で働いていたときの戦利品である

ウーハーとアンプが無かったのである。。。

タダチューンだけに諦めはついたけど、

どうしてオーディオだけは残ってるんだろうと不思議に思った

 

「おーい」鑑識のおじさんが並べ終わったようで呼んでいる

まず最初に目に入ったのは2枚の三河ナンバー

どうやら両ちゃんの車で巡業したらしい

被害届のタイミングによると両ちゃんの後に提出されているとのこと。

どこかで石を投げられそう・・・

俺じゃないよん!

 

お次は180ヘッドライトLHのASSY

犯人はスポーツカーの部品を売りさばきたかったのか・・・

もしかして家に明かりが無いから・・・まさかね。

 

あとは細々としたものが多い。

変な足マットや、ホイールブラシ、アメちゃんの袋カス

 

四角いカンカンもあった。

「なんやろ?」

パカッ!

・・・・・・・・・アホか・・・・・・

青少年育成法により控えさせていただきます。

(でも未使用、未開封)汚野さんの発言とは異なります!

 

全ての遺留品に自分の物と犯人の物という区別を付けられ

犯人の物については処分願を書かされて本日のお仕事は終了。

 

後はディーラーに任せて帰るとするか

 

つづく

 

第13話 歩み寄りが大切

 

3月20日 PM

 

両ちゃんはディーラーに出向いている。

今日はドコを修理するかをディーラーさんと打ち合わせをする日。

保険会社から担当が事故調査員に変更したとの連絡を

昨日聞いたので、善は急げで打ち合わせにきた。

 

ディーラーさんはとっても良い人で

できる限りやっちゃいましょう!と意気投合。

その人は航空機部門の設計者だったため、

他の話でも意気投合していた人である。

手に職持つって大事だと、無関係なのに思ってしまった。

 

「外装は全部交換、屋根は傷ないからいいや」

 「了解」

「内装も全部、最悪ルームクリーニング」

 「善処します」

「ホイールもHITしてるから、交換とアライメント」

 「了解」

「ガソリンがなぜか満タンだから全部抜いてハイオクで・・・」

 「了解」

「あとはアレでしょ、コレでしょ・・・・」

 「ふう、そんなもんですかねぇ。結構時間かかりますよ」

 

別に時間は気にしていなかったので、治るまでまつことで

お願いすることにした。

 

帰りがけに両ちゃんはピンときた!

実は前からやってみたいことがあったのだ!

「あのーショートのシフトとクラッチなんかはなんとかできない?」

ディーラーさんは少し困りながら笑顔で返してくれた

「・・・」

両ちゃんはそのときに心の声を聞いたのだ。

(了解ですお客さん)ってね(^o^)

 

とにかく保険屋バトルはお任せするしかない!

がっちり握手を交わしディーラを後にした。。。

 

つづく

 

第14話 おかえり

 

6月5日 PM

 

ヤツに盗まれてから、もう3ヶ月が経過した

途中何回か見に行ったが、いつも部品待ちなのか

駐車場の端で埃をかぶっていた・・・

 

 

5月中旬から代車のR2に乗っていた両ちゃん

通勤時にはワゴンRごときにあおられ

「いつか殺ちゅ!」と叫んだこと何回・・・

 

今日は待ちにまったレガシィの引き取り日。

今日をもってやっと開放される!

 

ピカピカのエクステリア

フルクリーニングのインテリア

カキコン!と変則するミッション

あぁぁ〜何て素敵なんだろ!!!

 

本当に新車みたい♪

 

長い月日を経て戻ってきたこの愛車を

これからも乗り続けていきたいと

迫る夕日をバックに思ったのであった

 

 ←帰って来てしまったれがしーばん つっついてもダメでっせー!

 

おわり