シーブリーズは、痛い。
それは、とても暑い夏のことだった。
あつをは、その日、とんでもない事に巻き込まれた。
巻き込んだ張本人。それは、王様。♪
昼も過ぎて、王様は、その日どこに飲みに行くか考えていた。
(当時は、浜のおやじも、三河の両ちゃんも、居なかった。)
突然、トラブルが発生した。
データの登録が、できなくなってしまったのだ。
事件発生。
ようやく二日酔いから、立ち直りつつある王様であったが、
本能で、動き始めた。
てきぱき、てきぱきと、状況確認、現状確認、再現性確認、
今日のお店確認、メンバーの確認など、どうでもいいことも、
ついでに、指示を出して行く。
「よし、あつを、おまえら、3馬鹿トリオで、
現状確認報告をまとめろ。やりかたは、わかっているな」
もちろん、いつものお得意の、王様ひとりが理解しているだけなので、
あつをが理解するには、太陽が沈むのを待たなければ無理だった。
「いいか、おまえら、やっとけよ。1時間もあれば、できるはずだ」
たしかに、レポートをまとめるには、1時間もあれば十分だ。
しかし、そのための現象確認は、膨大な量になる。
もう、飲みにいくことで頭がいっぱいの王様には、自分の都合しか頭にない。
王様は、あつをに言った。
「じゃ、頼むな」
王様はさっさと、出て行ってしまった。
ちなみに王様が、次にこのトラブルを思い出すのは、
次の日、あつをにレポートを提出された時だった。
ここからは、本人、および周りの人の証言である。
その日は、大変暑かった。
夜になっても、全然涼しくならなかった。
時間は流れ、すでにビルのエアコンは、止まった。
大変な暑さであったようだ。
あつをは、何を考えたか、ズボンを脱いでぱんつだけで、
作業をしていたそうである。
これだけでも、大変なお馬鹿である。
そして、あつを以下3馬鹿トリオは、夜中に食べるお菓子を買いにいった。
(推測だが、服は着ていったのであろう)
コンビニに行き、お菓子を買い、暑さをしのぐ目的で
シーブリーズを、購入したそうである。
ここで、疑問なのは、シーブリーズは、冷却材ではないのに、
何故、暑さをしのげると思ったのかである。
戻った彼らは、作業に戻った。
あつをは、また、ぱんつひとつになって、
体中にシーブリーズを塗りまくった。
「すげー、涼しくなる」
冷房を購入できない、彼の生活の知恵だった。
しかし、コンピュータを数台おいてあるその部屋では、
焼け石に水であった。
あつをは、何を考えたのか、突然、ぱんつの中に、
シーブリーズを、ぶちまけた。
数秒後、股間を押さえて、絶叫をあげる、あつをの姿があった。
「いてー、すげーいてー。シーブリーズは痛い!!」
外の二人は、こいつ本当の馬鹿だと、思ったそうである。
終わり