ジャージに革靴編(読切)

 

夜の蝶・・・おあつ

 

ある夜、浜のおやじ王様関西人とで飲みに行った

まぁ〜いつもの面子であるが・・・

 

暇になった王様は、おあつを呼び出そうと電話した。

「今どこにいる?」

「えっ、ホテル(ダンボール)ですけど」

「じゃ、ロバ、集合でな」

プチッ、プープープー

 

「また強引な お誘いね〜」

  あそこはかわいい子、いないから行きたくないのよねぇ

  ロバみたいなのがいるしさ。孫ロバもいるらしいわよ。

  でもあたいが居ないのが寂しいのね。

  仕方ないから行ってあげましょ。

 

おあつはそそくさと行く準備をしてタクシーに飛び乗った

(今日はあいつが居ないからトランクに乗りたいと思わないわ)

そんなことを思ってるうちに

元○工場の近所のスナック・ロバに着いた!

 

カラン♪コロン♪

「いらっしゃーい」

「おひさ!相変わらずロバですね〜」

ちょうど王様の「仮面の忍者赤影」が終わったらしい

 

席に案内されて乾杯をしようとしたとき

浜のおやじが「ハッ!」と声を上げた!

おあつは黒いジャージに黒い革靴だったのである。

 

「なんでジャージに革靴なんだよ、靴くらい買えよなぁ」

(そんな無茶言われても・・・)

「豊田には仕事だから、私、靴持ってきてないんですよ」

 

「はぁ、はぁ〜、じゃぁーじ・・・に・・革ぁ・・・靴ぅ」(^o^)/

酸欠になるほど笑っている関西人

「片腹痛い〜」と本当に片腹を叩いている

 

それを見て、かなりムッ!ときたおあつは大声で

「これがぁ!あたいのぉ!デフォルトなのよぅ!」

 

そう言い放つおあつを見て、

初めて少し格好良いと思った浜のおやじであった

 

おわり