ショーに並ぶ迄(3)

さて、最終プレゼンテーションが始まる。
テープドロー、イメージスケッチを元に’ある程度のレベル’の実現性を考慮し討論がなされる。
設計部隊としても、主に’動きもの’に対してのコメントを追加する。
モデラーは’制作方法’に対する意見が出てくる。
が、あくまで主人公はデザイナーである。

デザイン・コンセプトを説明し、キーとなる部分を語る、語る、語る・・・・。

紆余曲折をへて’エクステリア’1案、’インテリア’1案、が決定される。

この後、落選デザイナーは、当選デザイナーのサポートに回る。
もっとも、メーカーデザイナーが外注デザイナーにくっつく事はまれである。
(やはり、メーカーは自分勝手なのである)

エクステリア・デザイナーはテープドローの精度を上げていく。
(目標となる車両スペックに揃えていくのである。全長、全幅、全高・・・・・項目は沢山ある)
インテリア・デザイナーはエクステリアに各部を揃えていく。
(カウルライン、ウエストライン・・・・・・・・)

設計部隊はテープドローを元に、CAD上にデザイン形状を作っていく。
(あくまで’ざっくりと’である、オープニングなどの’基本’が作れる程度に・・・なのだ)

モデラーはテープドローから、1/4か3/8のクレイモデルの下地を起こしだす。

エクステリアのテープドローが固まった時点で、1/4の玉成に入っていく。

微調整をし、1/4(8/3)クレイモデルの承認会である。
やはり、ここでも’修正’が入らない事は絶対に無い。
ただ、キーとなる線を動かすことはめったに無い。
デザイナーとモデラーの間で、主に’回り込み部分’についての面修正がなされる。

設計部隊はこの時点で、インナー部品の配置を完了しておく。
(エクステリアデザインへ影響を与える部品のレイアウトのタイムリミットはここまでである)

1/4クレイモデルがフィクスすると’モデル測定’である。
今では1/4モデルの規模の場合’非接触測定’を使うが、当時は’デジタル測定’であった。
(’測定’については、いずれ別項で話をしよう)

測定された点列データをCATIAに取り込む。

ここからは、設計部隊の仕事となり、突貫作業である。
サーフェスデータを作成していくのである。(面張り職人となる。
テープドローを参考にし、デザイナーに確認もしながらの作業である。

モデラーは’保存’を目的に1/4から’反転’をとりプラスチックモデルにしていく。
(詳細は’反転’コーナーで・・・)
同時に1/1のモデル作成準備を始めるのである。

2004年8月22日