プレス型

プレス型である。

組長、精密プレスに関しては’若葉の頃’にかじった事がある。
(そのうちに、出てくると思う)

通常、言われているパネルの、しかも中規模部品のプレス成形の’型に関して’は、この時期に経験したものだ。
かなり遅かったのである。
(それまでにも’部品のみ’と言うレベルでの経験値はあったが・・・)

まあ実際は、自分で’型’を削ったとか’組み立てた’と言う訳ではない。
客先からの’指示’とか’指導’という形で身につけたレベルである。

新潟県は◇市にツ○○ックスという会社がある。
中規模プレス金型の製造、販売をメインとする会社である。
CA○IAのヘビーユーザーでもあり、しょっちゅう担当技術者がフランスへも行っていたくらいである。

扱い製品は色々あったが、組長のところが’自動車がメイン’ということで、自動車部品を発注してくる事が多かった。

大体が、ピラーインナーとかの製品で1200〜1500mmくらいの大きさの’意匠には’あまり関係の無い部品である。
が、変更はしょっちゅう落ちてくるのである。

パネルのプレス成形とは、樹脂の成形とは異なり’工程’というものがある。

樹脂は、とにかくひとつの型の中で、ごちゃごちゃと機能を追加し、何とか形状を作り上げる。

たいして、パネルプレスは平らな板から’だんだん’と形状を作っていく。

基本の基本としては3工程である。

ドロー(オーバードロー)型、ブランク・ピアス型、リストライク型、この3つとなる。

形状が複雑になると、更に工程が増えていくのだが、上記の3工程は最低限となる。

ドロー型、これは平板をプレスして行き、’概略’所望の形状にしていく工程である。
’N島自動車のオヤジ’の所でも書いているが、板は基本的に’引き伸ばして’形状を作っていく。

ハット形状断面(帽子の断面みたいなの:凸形状)の上に、さらにハット形状をつくる場合、凸形状を’大きめ’に成形し、後の工程で所望形状にしていくのである。
斜めの角度がきつい時には、ある程度の傾斜もこの時点で作っておく。
曲げRについても所望のRではなく、それよりも大きなRにする。

ブランク・ピアス、これは、外周を’切る’また、’穴を開ける’工程である。
シャー角というのを設定しておき、全周を同時に切るのではなく、だんだんと切断していく。
(型に’はさみ’みたいな動きをさせる、のである)

リストライク、文字通り、所望の形状にしていく工程である。

組長はそれぞれの’工程’でのノウハウをツ○○ックスから’教えてもらった’のである。
(まあ、2年くらいの短期間であり、それだけをやっていた訳ではないので、正直’かじった’程度である)

この3工程で、通常は’終了’としたいのだが、設計(製品の設計)上、これでは満足できない場合がでてくる。
たとえば’たち壁面に穴が欲しい’場合、サイドピアスをする為、1工程増える。
穴と穴との精度が必要な場合、リスト工程の後にピアス工程を増やす。

どんどん工程が増えてしまうのである。

組長がここで言いたい事は、今の製品設計担当者は、本当に’工程を考えて製品設計をやっているのか?’ということである。
もちろん、全ての時点でプレスの工程を考えていたのでは、製品の開発は進まないし、部分的な’無理’が’技術の進歩’を促すことがあるのは事実だ。

まあ、多少は’工程’ということも考えて’線’を引いてもらえれば、部品単価を下げることが出来るし、最終的に、車の値段も安く出来るのでは・・・と思っている。

話を戻そう。
プレス型のデータ作成の単価は、樹脂系のそれよりも安い。
(時間レートだね)

が、1製品に対し’工程別’に発注をすることはまれで、ほとんどが’全工程’で出てくる。
ということで、結果的に’総時間数’ではプレスの方が多くなる。

また、納期も工程順に並び、一挙に提出というのもありえないのである。
(製作側も間に合わないし、ある程度工程順に’試打ち’をしていき確認をするという理由からである)
ということで、作業計画は立てやすいという部分がある。

しかし、一箇所でも’チョンボ’があった場合、大変である。
改修が全工程にわたる為、とんでもない費用が発生する。
データ屋チョンボの場合(組長の所みたいな時)そのデータ屋は’夜逃げ’という事になる。
(実際、組長の仕事仲間で2社ほどあるが、ペナルティの支払いで自宅が無くなった奴がいる)

ある意味、緊張感’高’な仕事である。

2004年8月17日