反転型の話(1)

反転型についてのお話である。

クレイ・モデルが完成すると、次はプラスチック・モデルの作成である。
といっても、一般市販のプラモデルではない。

FRPなど樹脂(時には部分的に、木材、アルミもあるが)をメインに作成されていくのである。

まずは、1/4or3/8の手順である。

基本は石膏反転である。

最初に、クレイ・モデルにフェンスを立てる。
’型割り’でアンダーカットが出来ないように、5〜7つの部位に分けるのである。
ボール紙をゲージのように切ってピコピコと立てていく。
そして’ちどり’に石膏を流し、硬化したらフェンスだけ外して離型してから、残りの部分に石膏を流すという行程だ。

が、ここでDKは行程を増やす。
通常、反転をとると、元となるクレイは壊れてしまう。
DKはクレイ・モデルに’あること’を施す。
石膏を流す前に、だ。
そうするとクレイを壊さずに、お客に戻すことが出来る。
しかし、この方法はさすがに他言することは出来ない。
海外も含めて、この方法を知っているモデル会社は無いと思う。
大事なDKのノウハウなので、ここでの紹介はしない。
(酔っ払ったらベラベラしゃべっちゃうかもしれない。呑みの時にでも聞いて見てくれ)

無事に石膏反転が作れたら、次にFRPを起こしていく。
’FRP’のエリアでも話したが、精度が要求されるのでCFRP+エポキシである。

単純なプラスチック・モデルであればこの後、磨きをかけ塗装をして完成となる。

シースルー・モデル(室内が見えるモデル)の場合、石膏型は真空成形の型に加工されていく。
ワイヤーをほどいた物をドリルにくわえて、表面に無数の穴を開けていく。
そして、アクリル板をあっためて、真空成形機でウインドウ部分を作る。
出来たアクリルは’磨き粉’でピカピカにする。
場合によってはヘッドランプ、RRコンビランプも同様に作る時もある。

シースルー・モデルの場合、室内は一般的に「なーんちゃって」である。
モデラーが「こーんな感じかな」で作っていく。
(まあ、この時点で図面が存在すれば、それを元に製作するのだが・・・通常、この時点では図面は無いのである)

あとは正直、図工の世界となっていく。

次回は1/1を説明しよう、パスワードエリアにする。

2004年8月14日