FRP
FRPの話である。
FRPとはファイバー・レインフフォース・プラスチックの頭文字だ。
直訳すると、プラスチックの中に補強材として繊維を入れる、ということである。
繊維として入るのが一般だとガラス繊維となり、カーボンになればCFRP、ケプラーだとKFRPとなる。
組長がFRPという物を初めて経験したのは高校生時代であったが、職業として携わったのはこの時代であったので、この場にいろいろと書いて行こう。
繊維で変わるのは上記したが、繊維の状態の違いとしてはマットとクロスが上げられる。
マットはただ線状のものが絡み合っており、作業者が極力均一になるように型の上に広げるのである。
クロスは繊維が織物状になっており、均一にはなるが形状は出しにくいのである。
作業者としては、複雑な形状になればなるほど、マットを多様したくなるが、強度はクロスの方が高くなる。
最近、クロスをきれいに張り込むという職業がさかんのようである。
身近なものとしては’手漕ぎのボート’などはマットで作られている。
ただ、最近は品質(見た目)として’カーボン目’というものを出すのがはやりか、クロスが増えている傾向にある。
(フューェルリッドとかインパネのオプションでもあるな)
作成の方法としては、まず凹型を作成する。
(材質はいろいろだ。起こし方は別のページで説明しよう)
その、凹型に離型材(ロウみたいなもの)を塗る。
次にゲルコートという表面層になる部分を塗る。
(通常、ゲルコートは白色だが、カーボン目を出したい場合、強度は下がるが透明なものを使う。)
そして、プラスチックとなるものを塗りたくりマットorクロスを広げながら形状になじませていく。
そして、再度、この上に樹脂を流すのだ。
そして硬化を待つ、という流れになる。
この時の樹脂は大別して、エポキシ系とポリエステル系があり、作成する状況により使い分ける。
エポキシは加工収縮が少ない。
また、ドライヤーなどで加熱しながら形状の修正をすることが出来る。
一品の試作など精度が必要であり、場合によっては修正が必要になる場合こちらが用いられる。
ポリエステルはコスト面、硬化時間などで有利である。
形状の修正は不可に近い。
量産向きである。
’形状が出来ればいい’というときはこのまま硬化を待つのであるが、強度が必要な場合、これを層状に積み重ねる。
よく’○プライ’といわれる所である。
また、更なる強度および’軽さ’が必要な場合、ハニカムシートを挟んでいく。
蜂の巣みたいなものを形状に馴染ませていくのだ。
その上に、再度クロスを敷いていく。
これはレーシングカーなどに用いられている。
品質を均一にする為、この上にビニールシートを広げ、真空ポンプで空気を引き出して、硬化を待つ。
(凹型に押しつけるんだな)
更なる品質アップの方法としては、この状態で’熱をかける’というのがある。
この上としては、F1などで使われているが、型ごと高圧室(オートクレープという)に入れる、というのもある。
数年前の話であるが、世界的に車が入るオートクレープは少なかった。
F1チームは行列を作って’クレープ待ち’をしていた事もある。
2004年7月31日