上司
アンドレとの話である。
組長は「一緒に行動をし、全てを盗め」がモットーである。
それが、技術の事でも、経営の事でも、もちろん思考の展開でも、だ。
「教えてください」と言って、「はい、これはこうやるんですよー」と教えるおバカは今のこのご時世、いるはずが無い。
それを期待し「教えてくれないっ」つって怒っているのは大バカ野郎である。
ということで、アンドレからいろいろと盗むために組長は飲み歩きもした。
(まあ、組長も元来、酒好きということもあるが・・・)
夕方5:00になるとアンドレが作業場にやってくる。(その頃の勤務時間は8:00〜17:00であった)
ア「おい、○○(組長の名前)!!いくぞ、はやくしろ!!」
組「えー、また行くんですかー!簡便ですよー!!」
ア「うるせーな!いいからいくんだよ!!」
組「わかりましたよ、いきましょう、・・(またかい)・・・・」
まるで組長とわしの会話である。
そこらじゅうの飲み屋で飲んだ。まあ、ここでは、そこいら辺を説明するのはやめよう。
(あまりにも回数が多いからだ)
しこたま、呑んだ後のご帰還方法は、酔っ払いの常套手段、当たり前の話であるがタクシーである。
アンドレの自宅は組長宅と、結構近い。
車で10分くらいである。
まあ、上司ということもあり’アンドレを先に降ろす’というルートになる。
その日も普段同様、タクシーに乗った。
(当時、タクシー券という物を、アンドレが1冊、組長に預けていた)
まずは「左○山団地ー」、アンドレを送っていく。
アンドレを降ろし、「つぎは東○団地ー」、スタートしてから30mくらい走ったとき、運ちゃんが言った。
「お客さん、お連れさんがモドシテマスヨ。いいんですか?」ルームミラーを見ながら言った。
組「いいです、そのまま行ってください。はやく」
運「・・・・・」
翌日の事である。
アンドレはいつものことだが’調子悪そう’である。
MTGが始まり、係長がいろいろ言っている。(アンドレは前出してるかもしれないが課長である)
5分くらいたったとき、アンドレはいきなりゴミ箱をもった。
そして!!’ゲロゲロゲロゲロー’・・・やっちまった。
会議中である。
ゴミ箱にはビニールの袋がはいっており、その中に捨てるルールであった。
アンドレはそのビニール袋を取り出して組長に言った。
ア「これ、捨てて来い!!」
組「・・・・・・」
上司の言うことには逆らえない。しぶしぶ捨てに行った。
この時、組長も来そうになってしまった。さすがに耐えた、会社ではねーえ。
2004年7月29日