パッドの話(3)

今回は発泡工程について話していこう。
発泡型は前出のウレタン原料を入れて、所望の形状にするものである。
基本は上型と下型が合わさって出来ている。’もなかのかわ’と思ってくれていい。
発泡型も原料の投入方法によって種類がある。
型を開いておいて、原料を撒くオープン発泡タイプ、型を閉じておいて直接あるいはゲートを通して原料を注入するRIM発泡(リアクションインジェクションモールドとか言うらしい)インパネなんかもこの方法の応用である。
また、型の温調によっても分けられる。
水というかお湯につけておく方法、バンドヒーターを型に貼っておく方法、電気オーブンに型ごと入れてしまう方法がある。
製品の性格、プラントによって使い分けるんだな。

オープン発泡でやる場合、原料の撒き方により良品不良品が分かれる。
型を開いておいて、ヘッドをロボットにより動かし都合のよいように撒くんだな。
条件出しはかなり大変だ。
このラインの場合、すばやく型を閉め、そのまま型をお湯(プールみたいなの)に流していくのが多い。
’カリブの海賊’みたいなラインである。

RIM発泡の場合は発泡型をプレスにくくりつけてヘッドを型に直付けしておく方法と、型を3個位用意し、ヘッドが取り付くような構造にし、ヘッドの先から型の中を通るゲートを作っておき成型するタイプがある。(ヘッドが渡り歩くんだな)
ヘッド直付けのメリットは原料投入後、プレスごと型を回転させて都合のよい原料回りをさせることが出来るため、複雑な形状に対応しやすい。
反面、ヘッドが型専用になってしまう。(ヘッドは高価である)
ヘッドが移動していくタイプではヘッドの数は少なくていいし、回転させるパターンはそれぞれ独自に出来る。
が、発泡条件を全品、揃える必要があるという部分がデメリットである。
成形の時間だが、原料自体は反応させると、およそ30倍程度の体積になる。
それにかかる時間はだいたい20〜30秒だ。その間に型を閉めなければならない。
その後、熟成の為、3〜15分、型の中で温調状態を保持する。
すぐに取り出すと急激に温度が下がるため成形不良を起こし、しわしわになる。
成形完了後、脱型をしクラッシングをする。
クラッシングにはプレスでつぶしてしまうのと、2本のローラーの間を通すタイプがある。
目的は、前出にあった泡同士を繋げる事にある。

あとは、ホッカホカがさめればOKである。
内部の化学反応が完了するのに、およそ6時間くらいかかる。
実際は半日位たたないとシートASSYすることは出来ない。

2004年7月27日