オヤジの愛車(1)
前出もしていると思うが、組長のオヤジもかなりなカーマニアである。
ただ、組長とは意見が合わなかった。
マニアである反面’車は道具である’という考えも持っていたオヤジである。
ケン&メリーのスカイライン、S130フェアレディZ(当時、組長はS30に乗っていた:対抗心での購入だったらしい)とかに乗っていた。
が、職業柄’建材’を運ぶ事になってしまう場合がある。
平気でキャリアを取り付け、ベニヤ板を載せてしまう。
トランクルーム、ハッチ内にはレベル、トランシット、スタッフなどが常設、電気カンナ、丸ノコは当たり前、ひどいとセメント、塗料である。
(レベルとは土木の’三種の神器’である。測量道具だ。)
走らせるとガチャガチャとうるさい、また’車が重い’のである。
この辺の’車に対する思い’は組長とは違った。
話をもとに戻そう。
組長の誕生当時のオヤジの愛車はホ△ダ・ドリーム・CB350だったそうだ。
若者の’あこがれのまと’だったそうで、女性軟派率は高かったらしい。
(あんたは、何をしとるんじゃ!!)
それでオヤジは組長をオブって、現場回りをしていたそうだ。
ちなみにそのバイクの入手は’オフクロの大島’が化けたそうである。
組長がそこそこ大きくなると、指定席が’タンクの上’になる。
オフクロは後席だ。
(なんか’東南アジア一家写真の一枚’みたいな写真が今ものこっている)
組長はバイクに乗ると、オヤジが「セルを押せ」というので、ボタンを押しエンジンが掛かる、というのをいまだに覚えている。
ある日の事、オフクロの実家に行くことになった。
オフクロの実家は静岡県は南伊豆町、弓ヶ浜というところである。
当時は電車も伊東までしかなく、その先は木炭バスだったそうだ。
ドリーム号で出発した組長一家は途中で台風に遭遇した。
(組長と同じで計画性の無い親たちである)
ドロドロの服装であったが組長だけは「きゃきゃ、きゃきゃ」でオヤジの「バスに乗れ!」も無視だったらしい。
結局、無理に乗せたがその時オヤジは「車を買うか!」と決心したらしい。
2004年8月8日