端末に目薬

「えーまた連休前ですかー。」
声に出しては言えないが、お客さんから電話がかかってきた。
当時わしはGR○DEを使って仕事をしていた。

それは盆休み前の金曜日であった。

1人ぼっちの休日出勤。
「くそーーーーー」
連休中まるまる出勤である。

データの処理待ち時間。

プロット用紙の筒を床に思いっきり転がしてみたり
イスでフロア中を思いっきり滑ったり
トイレットペーパーを思いっきりトイレに流したり。
(・・・その他は書けません)

・・・わし悪の限りを尽くした。

ぶーーーーーん。

机の上に置いてあるワークステーションの空気口。
「これって空気吸ってんのかの?」
タバコの煙を吹きかけてみる。

「あ・ほんとに吸ってるんだ。」

なぜかうれしい。

消しゴムのカス。
テイッシュ。
端末の空気口のメッシュにいろんなものが張り付いていく。
・・・かなりの吸引力だ。

クリップ・・・こりゃあムリか。
吸い込ませるものが無くなった。

ふと目薬が目に留まった。

よせばいいものをバカなわし

「ぷにょーーーーーん」

目薬の口からギリギリ目薬液をはみ出させた。
スリル満点である。

こ・これは面白い!
目薬液が頑張っている。

「おれもコイツみたいに頑張らなきゃ!」
・・・わけのわからない悟りを開いたりする。

と、そのときわしは間違って目薬を強く押してしまった。
吸い込まれていく目薬液。
ぴちょんくん状態である。

「ばちっ!」

大きな音がして端末内部に火花が見えた。
もや〜んと煙が漂っている。

こ、これはヤバイ!
端末がうんともすんとも言わない。
バレたら弁償か?

わしは何食わぬ顔でとなりの森くんの端末と入れ替えた。

おわり