幼き思い出(2)

今回は酔っ払いネタではない、哀愁漂うお話のつもりである。

皆さんは覚えているだろうか・・・ギンバエ【横浜銀蠅】

当時はザ・トップ10とかの番組に引っ張りダコである。
両ちゃんも大ファンだった。

♪走りだしたら止まらないいぜぇ〜
     土曜の夜の天使さぁ〜!
        うなる直管はきちらかしぃ!
            朝まで全快アクセルON♪

今でもギンバエBESTのCDはレガシーに積んでいる。
昔は山に走りに行くときはコレを聞いてテンションをあげていた?!

イカン、イカン。話を戻します^^;

そんなこんなで・・・
周りの高校生くらいのお兄ちゃんはみんなギンバエだった。
ツッパリリーゼントに長めの黒い服でビシッと決めた感じ・・・

ある冬休み・・・
両ちゃんは西宮のばあちゃんの家から
垂水の家に帰る快速電車に乗ってた時・・・

ギンバエ風のお兄ちゃんが須磨駅で
左側のドア越しにお姉ちゃんと別れのKISSをしていた。
「じゃーな、baby!Good Night」チュ!
「ええジョニー。おやすみなさい」チュ!チュ!
聞こえてなかったが、たぶんこんな感じだろう
(きっとジョニーに違いない・・・)

プルルルル!「ドア閉まりまーーーす」
プシューゥゥ

迫り来るドアに臆することなく、お兄ちゃんはまだ唇を離さない。

ドアが完全に閉まり、外のお姉ちゃんがシキリに何か叫んでいた。
「○*×△〜・・・!!!」

「ん?どないしたんや〜ぁ」(-_-メ)ニヤリ

お兄ちゃんはドアに頭をこすりつけながら手を振っている。
しかぁーーーし、よく見ると・・・!
お兄ちゃんの自慢のリーゼントが、リーゼントが!
ドアに挟まれて抜けなくなっているぢゃないか!

あまりにも唇を奪いすぎたため、天罰が下ったのだ!

ガタン、ゴトン。ガタン、ゴトン。

静まり返った車内でお兄ちゃんはパントマイムの芸人のようにもがいていた。
次に開くのを待つしかない!とあきらめ、ボーーと外を見ているフリをしている。

あんなに格好良く決めていたのに、今やオーラが消えていた。

「まもなく、垂水、た〜る〜みぃ〜!
     電車右側のドアが開きま〜す。ご注意下さ〜い」

両ちゃんはイソイソと下りる準備を始めた。

お兄ちゃんは「開くのソッチかい!」って顔をしている。

電車が垂水駅に着き、両ちゃんはホームに降り立ち
ギンバエがどうなるのか心配になった。

ずーーーと外を向いているギンバエを乗せて
電車は西に向かって走り去って行った。

「お兄ちゃん!その快速・・・次の明石駅も右側だからね!」

おわり

TO あの時のお兄ちゃんへ

サーファーGIRL♪はサーフィンに乗り、
ロックンローラー♪はバイクに乗るもんだ!
そんな歌もあったでしょ!

電車なんかにのるからそんな目にあうんだよ。