ロバとツボ

これは、ある暑い夏の日の出来事である。

昼間の食事会、ここで浜のオヤジはある言葉を聞いた、それは’ロバ’と言う言葉である。
この時はこのキーワード’ロバ’という音がこれだけの事件に繋がるとは思っても見なかった。

その日の夕方、ポリバケツ君の送別会が催された。
会場は高架下にあるイベントホールである。

ポリバケツ君は、三河勤務が長く友人も多い。
ということで、貸切のイベントとなった。

王様は以前、ポリバケツ君が所属していたことがあるチームの管理職である。
例によって、そのチームのめんめんを集めて、勝手に看板を作り結界を張っていた。

浜のオヤジは勝手にその結界に入り込み(三河の両ちゃんも一緒だが)いつものようにゲラゲラやりながら呑んでいた。

イベントということでしばらくするとゲームが始まった。
参加者のなかから4名を選び出し、最初のひとは「○○」、2番目の人は「○○、××」3番目の人は「○○、××、△△」4番目の人は「・・・・・・」と言うように順番に増やして行き、分からなくなったらゲームオーバーである。
(正直、酔っ払いには’難易度高’のゲームである)

最初、選ばれた4人のテーマは’野菜の名前’である。

順調にゲームが進んで行き、敗者勝者が決まる。

このころ、結界の内部では違う’話’が持ち上がり始めていた。
「○○、・・、ロバ、××」「ゲラゲラゲラ・・」である。

つぎのメンバー4人が召集された。
なんと、その中に’N組組長’が入っていたのである。
N組組長王様一家のメンバーである。当然、結界からの参加者である)

そうして、ゲームは始まった。
皆さん期待のよーに今度のテーマは’動物の名前’である。
結界内は大盛り上がりである。
N組長が当然’ロバ’と言うであろうから・・・・

N組長も当然「ロバ」と言おうと張り切っていた。
「うさぎ、・・・・」、と来たぞ!!「うさぎ、・・・、ロバ!」
爆笑である。大盛り上がりだ。

次のターンである。
結界内は皆、期待していた。
次は’子ロバ’その次は’孫ロバ’だ!!
N組長も皆と同じ考えである。

が、ここでN組長ハプニングである。
そう、酔っ払いという生物の特性、記憶力に難あり!だ。
「うさぎ、・・ロバ、・・・・・・」つづかない。
’子ロバ’まで行き着かない!!
こうして、N組長は敗者となってしまった。

その間の結界内はすごい状態であった、皆笑いころけている。
「がはは、」「ぎゃはは」状態である。
特に王様はひどかった。つぼにはまっていたのである。

3チーム目のゲーム参加者が召集された。
女性が1名、入っていた。
結界内はまた大騒ぎである。
「あいつ、ロバ」誰かが言ったのだ。
(全然、似てはいないのだが・・・・)

また、王様つぼにはまっていたのである。
「あっはっはっ!」

つぎのテーマは’さかなの名前’である。
が、三河の両ちゃんは、司会の○らいさんの迷惑を考えず、参加者の先頭である、さ○○いさん
キーワード’ロバ’を頭に付けさせたのである。
ゲームが進行する。
ろば、まぐろ、・・・」
’ロバと呼ばれてしまった嬢’の番である。
ろば、・・・」結界内は大爆笑である。
王様はさらなるつぼに・・・・

ゲームも終わり、呑みの時間になった。
王様は他人をいじくりに結界の外に出かけていった。

しばらくして、閉宴の時間が近づいてきた。

ポリバケツ君に花束が渡される。
ここで記念品も渡されたのだが、正直、浜のオヤジは「絶対、タイミングが悪い!」と思った。
そう、’ロバと呼ばれてしまった嬢’が出てきてしまったのである。

結界内はまた、爆笑である。(笑うべき時ではないのに)
当然の事ながら王様も、再度つぼにはまっていった。
「わっはっはっ・・・はっ」
その’ロバと呼ばれてしまった嬢’が別れの言葉を言い始めた。

ここで、よせばいいのに浜のオヤジが小さな声で(結界メンバーには聞こえたはずだ)
「・・・以上、、ロバより」とか言った。
またまた、大爆笑である。
王様、再度つぼである。

ポリバケツ君のお礼の言葉が始まった。
「みなさん、おいそがしいところ・・・・・」
「わっはっはっ・・・・、あっはっはっ・・・」なのである。

退場のときポリバケツ君が言っていた「最後まで、王様が笑っていてくれた!」が忘れられない。

場所を変えた。
いつものCanbeである。
ここでも、王様つぼとの再試合である。
おもいだし・・・である。
椅子からずりおちるくらいのつぼなのだ。

浜のオヤジはつまらなくなってきた。
大酔っ払いの奴の隣りでは、酔っ払いになりきれない、からである。
ねむくなった浜のオヤジ「撤収!」と叫んでホテルに帰っていった。

おわり