ねぇ、ビールまだぁ?(5)
【ビトンって何?編】

わしがまだ21ちゃいのときの話である。
山口のイナカから広島に出てきたわしは、
お決まりの「派手でどうしようもない女」と付き合うハメに。

わし「のーまきこー。誕生日なにがええんや?」
まきこ「ビトンのサイフ〜」
わ「解ったわーサイフだけでええんか?」
ま「うん!」
わ「ビトンじゃの。」

もちろんわしは、ブランドもんを見たことも買ったこともなく値段も知らなかった。
次の日「ビトン」を探しに広島市内のデパートに行った。

わ「すんませーん、ビトンってありますか?」
「え?」
「ビトン」
「ルイ・ヴィトンですね?」
わしの発音が変だったらしく、店のねーちゃんはニヤニヤしていた。

店員から「ビトン」の売り場を教えてもらい「ビトン」売り場にいった。
正直、高くても3000円くらいだと思っていた。
・・・たかがサイフである。
(当時のわしの給料は残業無しでだいたい手取り13万円くらいであった。)

わ「すみません。サイフみたいんですけどー」
ビ「はいはい。こちらになります」
わ「・・・・・・・・・・」

わしはその値段にびびった。
「に・・・にまんはっしぇんえん!!!!!!」

へっへっへっ。
笑うしかなかった。
しかし、約束したやんけ!

男わし・は清水の舞台から飛び降りた。

わ「ボ・ボーナス2かいばらいで・・・」

・・・その後、まきこちゃんとは秋に別れた。
しばらくは平和な日々が過ぎた。

が、しかし。
翌年の1月に「ボーナス2回払い2回目」の支払が来た。
「これ、払わにゃあいけんもんなんですかーーー?????」
と聞きたくなるような気持ちで一杯であった。

おわり