ま、また飲みいくの?(4)
【結婚式で語る浜のオヤジ編】
その日はアッキーの結婚式であった。
浜のオヤジが礼服を着ている。
しっかり「新郎の上司」をしている。
昨日は
「飲み放題じゃなきゃいかねーからなー!」
「で、会費はいくらなんだよー!俺からもとるのかー?」
とか言ってたくせに。
わしは乾杯の音頭をとらせてもらった。
光栄である。
が、失敗した。
早く飲みたいいつものくせで、新郎新婦の状態を気にもせず
浜のオヤジのビールがグラスに入っているのを遠目に確認すると
すかさず
「本日はおめでとうございます!かんぱい〜」とやってしまい
ゴキュゴキュ飲んでしまったのである。
浜のオヤジがビールを飲まずにビミョーに待っている。
浜のオヤジを見て「何で?」といった表情をした。
・・・目をそらされた。
「はて?体調わるいんかのー?」
などと思いつつ新郎新婦を見るとまだ新婦が立ち上がり中だった。
・・・よっぱらいは卑しい。
それからは、ビンビールの飲み放題!。
わしらのテーブルは、言うまでもなくいつもの状態であった。
テーブルにはビールのビンが転がりまくっている。
仲居さんもいちいち下げるのをあきらめたようだ。
浜のオヤジが呼ばれてスピーチに入った。
・・・すげっ!ちゃんと「新郎の上司」をしている。
しかし、スピーチから戻ってくるといつもの浜のオヤジと化す。
「大ジョッキかりてこいよー。こんなんじゃ急がしくてしょうがねぇよ!」
ついでは飲み、ついでは飲み状態である。
そのうち、つぎながら飲みそうな勢いである。
しばらくして、アッキーのあいさつだ!
挨拶がはじまってしばらくして、浜のオヤジが奇妙なものを発見した。
「なんだありゃあ?2人のうしろに誰かいるぞぉ!」
よーく見ると屏風の横から「スリッパをはいたくるぶしから下」が見えている。
「ほ・ほんとっすね」
その「くるぶし」は
「わしゃあだいじょうぶじゃけん!なにゆーとんなら!酒!」
と声を荒げる泥酔おやじのもので、屏風の後ろから引きずりだされていた。
「・・・できるな、コイツ!」
2次会は、とあるバーであった。
ここでもしこたま酒を飲み、大騒ぎした。
2次会も終わり、新郎新婦と浜のオヤジ軍団だけになった。
浜のオヤジが気取って行った。
「それじゃぁ、今日は2人のために俺がご招待するよ」
これを「浜のオヤジバブル」という。
わしは思った。
どうせホルモ○道場で食券買って大生なんだろうに、なに気取ってんだ?
タクシーに乗った。
タクシーはとある「レストラン」の前で止まった。
「ホルモ○道場はここにもあんのか・・・。」
わしはそんなことを考えつつ浜のオヤジに付いていった。
おいおいおいおいおいおいおいおい・・・ここは「ギリシャ料理」じゃねえか!
わしはびっくりした。
白いギザギザの柱が立っていて、その上には彫刻が並んでいる。
まるで「ギリシャ」に来たみたいだ。
(行ったことないが・・・)
いつもは「大生ぁ〜!」という浜のオヤジが
「オクトパスなんとかとぉ〜」
・・・などと言っている。
「・・・とぉ〜」である。
しばらくしてよく見ると、パンを「オクトパスなんとか」のソースにつけて食っている。
「・・・うへっ!浜のオヤジがパン食ってるし!!!」
いつもは「イカの一夜干し」に七味かけて食ってるくせに!!
いつもの浜のオヤジは仮の姿か?と思うわしであった。
おわり