よっぱらいは楽しい!(2)

【ロング缶で飲み会をごまかす編】

 

「はやくぅ〜」

浜のオヤジがいつものように職場をうろうろし始めた。

 

「はやくしろよーー!」

わしら浜のオヤジの飲みを断ることは100%ありえない。

 

自分の居ない飲み会で

「あいつ、スパインわかってないよな」

「本当ですよね」

「あーいうのがモデル作っちゃいかんよ。無免許だよ!」

「本当ですよね」

「明日少しいじめちまえ

「そうしましょう!」

「よーし作戦会議だ!へっへっへっ!」

「楽しみっすね!かんぱーい!

・・・こーなるのが分かっているからである。

その日は金曜日。

週5飲み会の最終日である。

 

カミさんへの説明用には

月・・・部長のお誘い

火・・・お客さん

水・・・浜のオヤジ

木・・・広島時代の友人

金・・・???

(注:本当は全部「浜のオヤジ」)

 

ここで???を浜のオヤジにするのか何にするのか微妙なところだ。

「週5」はかれこれ3回目くらいか??

・・・こ、これはヤバイ。

 

そのときわしはひらめいた!!

「そ!そうだ飲み会ではなく、残業にしよう!!!!」

その場限りのいいわけとは解っていてもとりあえず問題を先送りにして

呑みに行くことにした。(得意のま、いいか!・・・である。)

 

はやくしろよ〜。ビールがなくなっちまうぞーー

・・・いや、ビールはなくならんでしょうが。

なんなんですかーその理由は!さすがは浜のオヤジである。

 

東京駅ビルである。

いつものように散々大ジョッキを飲みちらかし家路についた。

5杯くらいは行ったと思う。

 

電車に乗り、マヒしていたものがだんだん回復してきた。

 

「あ、わしは今日飲み会じゃないヤツなんだ!」

電車の中で思い出した。

「ハー」をした。・・・かなり酒臭い。

 

「これはやばい。すっかり忘れとった。」

 

対カミさん対策をせねば!

回らない頭のなかを様々な悪行が駆け巡った。

(1)逆切れ

(2)言い訳

(3)・・・

どれも気が重い・・・。

 

最寄り駅につく直前、ものすごいが浮かんだ。

飲酒検問で止められて、車を降りる前にビール一気飲みしたら飲酒運転にはならない?

ってなTVの再現フィルムである。

 

「こ!これだ!」

 

さっそく途中のコンビニでアサヒスーパードライのロング缶を買いカバンに忍ばせた。

何度も頭の中でこのミッションのシミュレーションをした。

 

玄関のドアを開ける→足早に冷蔵庫に行きドアを開ける→いかにも冷蔵庫から出したように

ビールを取り出す→「プシュ!」→「ゴクゴク」→そのまま「ただいまーーー!」  だ。

 

よっしゃ!完璧じゃ!

 

家に帰りm、作戦通り「プシュ!」まで行った。

「バ、バレてない!すげーぞ!」

 

次の作戦では「ゴクゴク」だ!。

 

ロング缶を口につけた。

 

「も、もう飲めん!」

 

おわり