小林ひ○みが待ってる

 

東京都下にある、会社での激務終了後、の事である。

 

組長は、おあつと王子で、食事に出た。(おあつは今回も脇役である)

 

都下の日○駅界隈に、である。

 

大都会、○野市の駅前の、むっちゃくちゃ数多くある店の中から、今日は‘焼き鳥や’を選択した。

 

(唐揚げマンはいないが、本日なぜか鳥料理である)

 

ここまでの話は、全然関係無いので、とっとこ話を進めよう。

(ちなみに‘とっとこ’は、組長の口癖である。使い方は「いいから、とっとこやれよ〜」である。)

 

おあつと、王子が‘おにぎり’をむさぼるように食べ始め、味噌汁になると王子が

「赤出汁がどうの・・・・」とこだわり出したので、組長は、つまらなくなり、

例によって「次、行くぞ!」の号令で店を出た。

 

次は、隣の隣にある、八菅生という駅に、わざわざ電車に乗って移動をした。

 

そしてわけがわからないが、おあつが行きたがるので、再び居酒屋に入った。

 

そこでも結構飲んだが、この辺も別に重要な話ではないので割愛しよう。

 

いいかげん、飲みが進んできた時、組長はふと時計を見た。

 

な、なんと‘10時50分、ちょっと前’である。

 

組長の自宅は、他の話でも上がっているが、横○である。

しかも、八菅生からスタートすると、○浜線で、東○奈川という駅で乗り換え(所要時間:1時間強)

再度、横○駅で乗り換えなければならない。大変な道のりだ。

 

タクシーでは¥25,000.−はかかる。(おあつと違い、払えなくは無いが..国家の損失である)

 

今日は‘お泊りセット’も持ってきていない。

 

「よし、かえるぞ!」組長は言い放った。

 

おあつと王子はその言葉を聞き、わけもわからないまま店を出て、八菅生駅にむかった。

 

途中、客引きに王子が引っかかりかけるが、何とか駅に着き、組長のみが改札をぬけ

ホームに行くと上り22:58発が待っていた。

 

「時間はまだあるな」と空いている車両を探し、電車に乗り込んで席を確保する。

 

「ん、タバコの自動販売機の所だな」なにげなく乗った場所を確認した。

 

まもなく電車が発車し、組長は長時間、電車に揺られる状況に置かれた。

補足:   組長は基本的に電車が嫌いである。寝過ごすからである。

組長は昔、電車が止まっているのでふと駅名を確認すると

「??浜」であった。

次だと思って発車を待っていると、動かない!

周りに乗客は誰もいない。

そう、駅名は「横○」ではなく「久里○」だったのだ。

 

そして、酔っ払いのサガである‘睡眠’に陥った。

 

 

第2話

 

組長がラリホーをくらい、しばらくたった時、強い振動を感じた。

ふと窓の外を見ると‘町○’という駅だった。

「まだ、20分位はかかるな。だが、ここからは頑張ろう!」

昔のいやな思い出が頭をよぎり、頑張った。いや、頑張り通そうとした。

 

しかしながら、やはり酔っ払いである。

例によって、再度ラリホーをくらい、眠りに落ちた。

 

そして、次に(実際には20分たってからの事だが)組長は肩を揺すられていた。

と同時に、遠くから声が聞こえた。

「東○奈川ですよ。電車、出発して○本に戻っちゃいますよ。」

 

「ん、何が起こっているんだ???」

組長はかなり寝起きは良い。

ふと目を開くとそこには若かりし頃の‘小林○とみ’が居るではないか。

 

組長は昔、小林ひと○のファンだったことがある。

3日通しの徹夜明けに、先輩といっしょに大○駅前のミュー○ックホールに

真っ赤な目をして行った事があるくらいだ。

 

組長を起こした後、小林○とみはそそくさと電車を降りていった。

 

組長は、周りを見渡すと、酔っ払いがコロコロ寝ている。

「彼らは再度、橋○に戻るつもりなんだな」

勝手にそう思い込み、電車を降りた。

 

組長は、向かい側のホームに到着した電車に乗り込み、自宅へ向かおうとした。

 

 

第3話

 

その時、組長は再度小○ひとみの歩いていった方向を見た。

あっ、あの子だな!

よーく見るとこちらを向かって手を振っている(様に見えた)。

 

考えてみれば、おかしい。

電車の中には大勢の客(○本に戻っていく大勢!)。

その中で「なぜ、俺だけ???」

組長は横○までの電車の中で考え込んだ。

 

ひらめいた!

「そうか、これは組長と小林ひ○みとのめぐり合わせ、新しい出会いだったんだ!」

さすが、酔っ払いである。

何事も、自分中心で自己完結をしてしまう。

 

「よーし、この次も、同じ時間、同じ場所に乗ってやる!」

 

と心に誓った組長であった。

 

第4話

 

次の朝、普通であれば昨日のことはすっかり忘れている組長ではあるが

今回はなぜかしっかりと覚えている。

 

「この辺が一般人とは違うな」と思い、

この話を仕事場の同僚に話した。

 

しかしながら失礼なコメントが返ってくる。

「それって、気のせい、ですよー」とか

「酔っ払ってたんじゃないすかー」(当たり前じゃ!)

「家に帰りましたかー?電車の車庫で寝てたんじゃあ?」

あげくのはてに

「小林○とみって誰ですか?」

といった始末である。

 

その日の夕刻、同じ様に呑みがあった。

 

組長は「しめしめ、今日も○林ひとみに会える」と

同じ電車、同じ時刻に乗車した。

 

しかしである。

東神○川の駅には小林○とみはいなかった。

 

組長は気がついた

「そうか、今日は旗日だから、お休みなんだ!」

 

あれからずいぶんな時間が流れた。

 

いまだ、小林○とみとはめぐり会えない!

 

終わり