王様と垂直
王様は、ある日、浜のおやじから連絡を受けた。
「今度、泊まりがけで、忘年会やるんだけどくる?」
無論、宴会を断るはずがない、王様。
二つ返事で、答えた。
「おっけー」
当日までには、さまざまな事件が起きるが、それは別な話を参照して欲しい。
話をすっ飛ばす。
宿につき、宴会が始まった。
今回は、コンパニオン付きである。
王様の前に、コンパニオンが座った。
王様の隣には、ワラビが座った。
つまり、王様とワラビに1名のおねーちゃんが付いたのである。
ところが、これが大変な事を、引き起こす。
まず、王様。おねーちゃん相手に飲むのは、大変得意である。
ただし、今回は、いつもと勝手が違った。
通常、王様がおねーちゃん相手に飲むのは、ほとんど意識が飛んでからである。
わかりやすく言うと、泥酔状態である。
次に、王様はあまり日本人のおねーちゃんとは飲んでいない。
理由として日本人顔の外国人が、大好きである。
(つまり、中華!)
とりあえず、ピッチを上げて飲む王様。
早いとこ、泥酔状態にならなくてはいけない。
王様は、ふと横を見た。
ワラビは、固まったまま、微動だにしない。
もちろん、おねーちゃんとは、会話はない。
おねーちゃんの方も黙ってすわっている。
(組長コメント:芸者にすれば良かったね!!)
まわりでは、既に出来上がった人が大騒ぎをしている。
王様は思った。
「まずい、この状況は。なんとかせねば」
こうして、王様は2人を間を取り持つように、会話を続けた。
これでは、まるで王様がコンパニオンである。
やがて、大騒ぎの宴会が終了した。
当然、2次会に突入した。
なれないコンパニオン稼業で疲れきった王様。
当然、飲むのは、日本酒である。
(13合も呑んだらしい!:組長談)
どれくらい時間がたったろうか?
(まわりの証言では、1時間も立っていないそうである)
王様は、眠くなってしまった。
宴たけなわではあるが、連日の負荷酒でもうよれよれである。
王様は、部屋に戻った。
ふと見ると着替えがある。
王様は着替えて、長年の習慣である‘寝る前のトイレ’に行き用をたした。
(多分、タバコも吸ったはずである)
そうこうしている内に、目が覚めてきた。
(これが三河の両ちゃん曰く‘ベホイミ効果’である!)
王様は、寝るのをあっさり中止して、再び宴会場に戻った。
主題とは関係ないが、「なぜ、着替えていたの?」との疑問への答えである。
また、これがなければ、主題の事件は起きなかった。
王様は、宴会場でまたしても痛飲した。
そして、いつものごとく、その内その場で寝てしまった。
心優しい、皆様は、酔い潰れた王様を布団に押し込めた。
ところが、その潜り込んだ布団はワラビが寝る布団だった。
ワラビは宴会が終わったので寝ようとした。
「あっ、誰か俺の布団で寝てる!」
誰が、寝ているのかを、確認したワラビは固まった。
王様である。
固まったヮラビは、王様と‘垂直な拘束’を付けられた直線となってしまった。
もちろん、王様は、いびきをかきながら、安らかに眠っていた。
おわり(かな?)